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鎹 ②
僕の運転でとりあえず高見沢家に向かう
もう優里ちゃんは、家の前で待ってた
「わっ、柾さん!!お迎えすみませ~ん。出産前に柾さんに会えるだなんて何か幸先いい気がしてきました」
僕を見てニッコリ笑いながら拝んで来た
「ねぇ、何だか知らないけどさ~僕を見て仏像みたいに拝むのやめてくれる?」
「あっ、じゃあ、ビリケンさんみたいに撫でていいですか?」
ニヤニヤしながら触ろうとする
「は~い、優里ちゃん。ここからは、お代頂きますよ」
笑いながら止める
「ちなみにおさわりしますと裏からその筋の人が出て来ますからね」
久実ちゃんと優里ちゃんは、笑いが止まらない
…その筋ってその筋の人だよね?
え?僕を触るとその筋の人出てくるの?
なんで?
意味がわからなくて聞いてみた
「ねぇ、ねぇ、僕に触るとその筋って僕…そんな知り合い居ないよ?」
久実ちゃんと優里ちゃんは、顔を見合せ目を丸くして笑いが止まらない
「ちょっと~、柾君…君の後ろにはその筋みたいな慶太君いるじゃない!」
「そうですよ、慶太さん柾さん見てない所で…すっごいんですから~」
え?え?意味わからないんですけど?
「ああ、愛されるってこう言う事なんだなってお二人見てると染々思います」
「え?それなら良彰さんの方がその筋って感じじゃない?」
「「あ~、それは…ホンモノに近すぎるから」」
また、二人の笑いが止まらない
「あ、ちょっと、姫様方
行き先はどちらです?」
「あ、ごめん。ホテル沿いを駅方面に向かったイタリアンレストラン…知ってる?」
「あ、わかった!!大きいオリーブの木があるコジャレたお店!!」
「そうそう!何か最近お腹スッキリしてチーズたっぷりのピザとかパスタ食べたいの!!」
優里ちゃんが中高生男子並みにお腹が空いてると騒ぐ
「はい、じゃあ、安全運転でまいります」
「セバスチャンよろしく」
久実ちゃんが公爵令嬢みたいな事を言う
優里ちゃんは
「クララが立った!!クララが立った!!」
って一人で笑ってる
二人の話は、脈絡ありそうで無いし、ノリだけで話をしているから静めるの大変
「も~収集つかないから黙って!!お口チャック」
僕は、大きな声で言ったら
二人パントマイムで口にチャックをするが
鼻息荒く笑ってる
女性は、いつまで経ってもどこに居ても笑顔になり笑いが絶える事がない存在だなって思いながらイタリアンレストランを目指した
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