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鎹 ⑧
僕たちは、疲労困憊で部屋を出た
「おつかれさん」
良彬さんが労ってくれる
「ははは…お母さんは強いね」
力無く慶太が言う
「本当、一生出来ないと思ってた体験させてもらった…」
僕も疲れきっていた
「ちょ、二人!!看護師さんに手当てしてもらおう」
久実ちゃんの声がいつもより大きくなった
何事かと久実ちゃんが見てる場所に目線を落とすと…
うわぁぁぁぁぁぁぁ~
ナニコレ、ナニコレ、ナニコレ~
僕の左腕と慶太の右腕にうっ血痕と
引っかかれて血が滲んでいる所がある
「産みの苦しみ…だね」
「ああ、俺達一生わからなかった父になる気持ちもらった気分だな」
「あ、婦長さ~ん」
「生まれたわね」
「はい」
「また、二人凄いわね」
腕を見て婦長さん笑ってる
「消毒しましょうか。あ、妊婦さんの血液検査しているけど、貴方達定期的に血液検査してる?」
「血液検査?」
「どうしても男性同士は病気が心配だから年一回の健康診断ついでに肝炎やHIV、ヘルペスなんかの血液検査しておいた方がいいかと思うわよ。医療従事者としてのアドバイスね」
「そっか…僕たちそう言う事にも関心を寄せないとなのか」
「ま、俺はこの先病気もらわないぞ」
「え?」
「俺は、もう柾としかしないからな」
耳元で囁いて来た
「もう、僕もだよ!けど、お互い若くは無いからこれからは年一回健康診断も受けようね」
生を感じた日
僕たちの行く末の生も考えて行くことになった
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