幸せを祈りながら

HALLOWEEN

「柾～柾～」
平日日中に僕を呼ぶ人はそうそう居ないのに
僕を呼ぶ声が聞こえた

「はい？」
僕は、仕事小屋から出てどこから呼ばれたか確認をするのにキョロキョロした

「こっちだ、こっち」
町会長さんが手招きしてる

「こんにちは。良彬さんですか？今日は…」

「いやいやいや、とりあえず柾に聞くんだが…」

「はい？」

「最近な、流行りのはろーういんどーってなんだ？」

「…はろーういんどーですか？」
昔は、流行に敏感で函館だろうと東京と同じ流行り物を直ぐに手にしたな
けど、もう、流行さえもわからないし
はろーういんどーって何!?
聞いたこと無い単語

「あの～町会長さん…それどんなモノなんですか？」
聞いてみた

「あ～ほれ、若者が不埒な格好で街をうろついて問題になってるってテレビで言ってたな」

「あー!!HALLOWEENですか！」

「はろーういんどーじゃないのか？」

「ういんどーではないですね。ウィンです」

「それは、仮装大会なのか？」

「HALLOWEENは、元々海外の……お盆です！お化けがこの世界に来るから仮装してお化けに見つかるのをごまかしたって感じですね、確か…」

「海外のお盆か！それは、供養してやらんとな」
町会長さんちょっと違う方向で伝わっちゃったかな…

「何かあるんですか？」

「いやな、ここいらも子供少ないし何か楽しめるイベントしたいとずっと思っててな、目新しい事したかったんだわ」
あ～お祭りも楽しいけど知らないお祭りもしてみたいんだ

「町会長さん、HALLOWEENは子供達が仮装して各家庭を回って『トリック・オア・トリート』って言うとお菓子がもらえるんです」

「なんだ？その『とり…とり』ってのは」

「お菓子をくれないとイタズラしちゃうぞって意味らしいですよ。まあ、合言葉みたいなモノですよね」

「ほ～家に回るのか～ここじゃちょっと家が遠いな～」
町会長さんは悩み出した

「あ、じゃあ、参加してくれる人を学校に集めて各教室回るとかは？」

「柾!!お前、頭いいな。よし、うん、ありがとうな」
何かおもいついたのか町会長さんは、足早に帰って行った

大丈夫かな？
僕…余計な知恵いれてないよね？