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聖なる日 ④
「柾さん、今回も丁寧なお仕事ありがとうございました。全部完璧ですね」
「ありがとうございます」
こうして無事に納品を終え
近況を報告しあった
「咲さん、僕ら絶対出来ない同じ様な体験二度したんですよ」
「え?なに、なに?」
咲さん身を乗り出して来た
「僕たち赤ちゃん取り上げました」
「え!?凄い!!」
「って言っても生まれたばかりの赤ちゃん渡されたり、妊婦さんが持つ所無くて腕にしがみつかれただけですけど」
笑って話をした
「『だけ』じゃないよ~痛さ共有したんだ~」
「そう言われると…そうですね」
「ね、ね、ね。二人さ、テレビ番組とかで動物の出産シーン見ると」
「あ、痛くなりますよ。その時の痛さとか助産師さんの声とか思い出しますよ、ね、慶太」
「ですね。母親ってこう言う事を経験しているから強くなるんだなって思いました」
「もうさ、柾さんと慶太さんって性別の枠を越えてるよね…男とか女越えてる。人間って感じ!!」
「いや、咲さん、僕たち人間ですよ。意味がわからないです」
笑いが止まらない
「いや、もう男とか女とか言う時代じゃ無いって確信するよ。性別ヒューマンよ、ヒューマン
大切なのは、中身よ、中身」
咲さんになんだかわかるような、わからないような話をされてた時
電話が鳴った
「咲さん、ごめんなさい。電話…」
「あ、出て、出て」
スマートフォンの表示は
━平松 久実━
「え?」
ほぼ同時刻に慶太のスマートフォンも鳴り出す
「良彬さんだ…」
僕たちは瞬時に覚った
━亜紀人に何かあった━
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