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聖なる日 ⑨
「瑞樹ちゃ~ん、さっきありがとう!!まさか見つかるとは思わなかった」
頭をカキカキ寄ってきた
「僕もビックリしたよ。けど、すぐに会えて良かったよ。あ、咲さんに電話した?」
「あ、してない…
リーダーが昼しに行けって。
どこに行く?」
「あ、なんかさ、このビル社員食堂があるって聞いたら行ってみたくなっちゃったんだよね」
「おおっ、社食!!俺も行ってみたくなった!」
そう言いながら関係者しか使えないエレベーターがある扉に入った
僕と慶太は、待ち合わせ目印の大きなツリーの前に来た
「慶太~ツリーおっきいね~」
「ん?ツリー欲しいか?この位のなら山に入ってとってくるぞ?」
「…慶太、何に張り合ってるの?」
目を合わせて吹き出してしまった
「まきちゃ~ん」
「あっきー」
あっきーは、走って飛び込んできた
「あっきー、良かった。怪我無い?」
「うん、何ともないよ?あのさ、コレ見て」
そう言ってリースを見せた
「そこで、リース作る先生の一人がまきちゃんのキーホルダー屋のお兄さんだったよ。で、お母さん来るまで作って待とうって。で、まきちゃんをイメージに作ったの!」
そこには、白で塗られている蔓リースにピンクと水色と金色の丸い飾りが付いてて
シナモンかな~飾り付けしてある
「あっきー、これ見本があるの?」
「ううん、無いよ。皆の自由でいいんだって、みんな人と違っていいんだって、それが個性って言ってたよ」
聞いててイイ事言うなって思った
柾は、ずっと屈みながら亜紀人の話を聞いている
久実さんから『かんの家』の人と会った話を聞きながら
俺の目がとある物から離せなくなった
ワークショップの看板…
加々美花壇って書いてある
あっ…
俺ら…いや、柾がここに居たら不味いよな…
「久実さん、その人名刺もらった?」
「あ!!もらってないや…もらえば良かった」
笑ってる
俺の記憶が確かなら
柾が追いかけた子は、加々美花壇に就職してないか?
柾…勤務先まで知らなかったか?
とりあえずこの場を離れなきゃ
この花屋の名前見せ無いようにしなくては…
「おい、お前達、いつまでしてる?腹減った!!行くぞ」
そう言ってエスカレーターを目指す
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