聖なる日 ⑬

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聖なる日 ⑬

「おとーさーん!」 ホテルのロビーでお父さんと待ち合わせした 「亜紀人!!お前、迷子になったらしいな」 怒りモードの父さんの顔が俺の近くに来た 「ごめんなさい…うちの方に無い物ばっかりで見入っちゃった…」 「久実ちゃん同様して俺に助け求めて電話してくるし、柾と慶太にも迷惑かけて!」 「ごめんなさい…まきちゃん達にはちゃんと謝りました」 「全く…生きた心地しなかったぞ」 「はい…」 「山での迷子は教えたけど、都会で迷子になった時は教えて無かった…」 「え?父さん、山でも都会でも一緒でしょ? 動かない、目印になるような場所に居る…じゃないの?」 「あ?ああ、その方がわかりやすいかな」 「だから俺、ツリーの下にいたんだよ。そしたらフラワーアーチストの人達が見つけてくれたの! 俺、妖精か天使かって思った人が助けてくれたんだよ! 内緒なんだけどさ、すっごい可愛い人だったんだよね~」 ちょっと自慢気に話をした 「なに、そんなに可愛い人がいるんだ? 父さんも会いたいな」 「父さん…鼻の下のびてるよ?」 そう言うと母さんの方をチラ見して 「のびてないよ!!全く心配かけやがって!」 拳骨が来るかと身構えたけど 父さんの大きな手で頭をガシャガシャと撫でられた なんだかとっても安心した 夕方ホテルじゃなくて イルミネーションを見ながら レストランに行く事になり 僕は、父さんと母さんと手を繋ぎたくなった 青い光、赤や緑、ピンクも合った 前に僕より小さい男の子が お父さんみたいな人と……… あっ! あの天使さんと手を繋いでいるのが見えた 男の子は 「パパ」と「お兄ちゃん」って呼んでる もしかしてまきちゃん達と同じ感じなのかな? 最後黄色い光のトンネルを通って居る時 光が流れるようになって 少し薄暗くなる あの天使さんを見ると 頬と口角が上がり男の子を挟んだ「パパ」と見つめ合って メリークリスマスって言ったのは見えた 次の瞬間5秒位電気が消えた 皆の「あっ」って声だけが響く また、明るいイルミネーションが付くと皆歩き始める 「お兄ちゃん」は 頬と鼻の頭が紅く色づき 「もう…」って可愛い顔してた 父さんに「天使がいる」って言おうとして振り返ったら うちは母さんが「バカ!!」って言ってた 暗くなると怒る人がいるんだ… だよね、急に暗くなると危ないもんね
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