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プロローグ
私は矢野紗知(やのさち)。学校では学級委員長として仕事を任され、家ではいいお姉ちゃんとして頑張って過ごしている。そんな私が気を抜けるのは一人で夕日を眺めるときだけだ。
学校の屋上から夕日を眺める時間だけが、何もかも忘れて私に安らぎを与えてくれる。
ただ一人、運動部の掛け声や帰っていく生徒たちの笑い声を聞きながら物思いにふける。孤独でなにもない時間だけれど周囲からの期待や失望、勝手なイメージにとらわれ怯え続けるよりはマシだと思っていた。
けれど、あなたに逢って私は変わってしまった。
こんな人生ならいいかもしれないと、思ってしまった。
これはあなたと私の捨てるのが惜しい程の最高な物語だ。
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