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翌日の夜になっても、ホマレはトイレに行く以外は部屋から出てこない……。
そのうちに、今の時間になってようやくフルートの音色が聴こえてきた。
これって、日中はあのカインに自分が在宅していることを悟らせないためのものなのだろうか。
ホマレのフルートの音色が聴こえる。
それは嬉しいことだけど、どこかとても雑だ。なげやりに演奏しているといってもいいかもしれない。
まぁ、音楽家でもない私が、そんなことをホマレに言えるわけもないのだけど……。
いったい何があったのだろう。
少しの間吹いていたのだけど、すぐに音は止んだ。いつもは心地良く流れる演奏後の空気が、今は強い不安を掻き立てる。
なんだ?この違和感は?この言いようのない気持ちはなんなの?
なんかすごくモヤモヤする。
私は、意を決してホマレの部屋のドアをノックして、返事を待たずに扉を開けて中に入った。
すると……
そこには……
「ホマレ!
どうしたの?」
私の問いに、ホマレは全く応えようとしない。
目の前には、ベッドの上でうつむいて、膝を抱えているホマレがいた。
全身が小刻みに震えている……。
それに、楽器はテーブルの上に置いたままだ。
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