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「だ、大丈夫だから、ちょっと一人にしてくれる?」
と、そう言って私を部屋から追い出した。
私にこんなことするなんて……。
これは相当重症なんじゃないか?
ここで、あいつの名前を出そうものなら、完全にアウトなのだろうけど、かといって演奏会前なのに、こんなメンタルで乗り越えられるのか?ぶっちゃけ、相当なピンチなのではないだろうか。
力になりたいじゃん。
だって、大切なホマレの事なんだから。
でも、どうすれば……
私に出きること。
私に出きること………。
…………
………………
そうだよ。
あるじゃん!
とっておきのがさ!
これはやるしかないか。
うん。やるしかない!
そう思って、私は一階の倉庫へと向かった。
坪庭の廊下では、クラリスが私を見てかわいくにゃんと鳴いた。
なんて健気な子だろう。
私頑張るよ!
っと、そうそう、クラリスにご飯をあげなきゃね。
子ねこ専用のカリカリご飯と新鮮な水をクラリスの食器に用意して、キッチンのテーブルの足元に置いた。
そのつやつやの背中を撫でると、また優しくにゃんと鳴いた。
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