第四話:しがない音楽家

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 私はホマレの部屋に戻って、 「ホマレ! ちょっと唇をなぞるわよ?」  ホマレの唇を私の右手の小指でなぞって、その感覚と温もりがまだ残っているうちに、同じように小指で私の唇をなぞった。    すると……   ヒール(heel)になる前のあの強い目眩がして、目の前がぐらぐらしてきた。  ひどく視界がぐらつく。 だけど、これにも大分慣れてきた。 でも、この感覚だ。上手くいきそうだ。  私はベッドに腰かけているホマレの隣に座って、目を閉じて目眩が落ち着くのを待った。  目眩が落ち着いてきた頃に目を開けると、私の肩には小さくて、全体的には白いのだけれど、背中の所が茶色になっている小鳥がとまっていた。  これって…… なんて小鳥? めちゃかわいいじゃん! てか、これがホマレのアザーセルフ(other self)なんだ。  鳥っていろんな種類がいるから、なんて鳥なのかわかんないよね。  でもクチバシや大きさを見ていると、文鳥の仲間なのかな?とも思うんだけど……。
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