第四話:しがない音楽家

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 それから、お風呂に入るために着替えをもって浴室へと向かって、服を脱ごうとしたのだけど、ホマレは十姉妹になってるとはいえ、やっぱり一緒にってのは恥ずかしい。 女の子中ってのもあるけど。 だから、脱衣所の前で待っててもらうことにして、ささっと身体を洗ってから、キッチンに行って冷凍庫からきつねうどんを取り出して、電子レンジで温めた。 それを持って、十姉妹のホマレと一緒に私の部屋へと向かった。  おうどんを食べて、テーブルの上のコーラ味のグミキャンディを食べている時に、 『コウヅキ……。 私にをしたってことは、 私は相当参っていたって事なのかな?』  ホマレは、いつでも私の側にいてくれている。だから、クライアントが抱えていたもの。マリンにしてもルルにしても、一言ではいえない複雑な重みと悩みを抱えていたことを知っている。  だからこその発言だとは思うけど。 ってか、自覚がないの? と言うか、自覚があっても、それを無理矢理抑えつけて、これくらい大丈夫だと自分に言い聞かせているのかな?  ……どちらにしても、そんなのはちっとも健康的じゃないよ。
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