第四話:しがない音楽家

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 私自身は、年上のホマレとは二年遅れで同じ学校に通っていたけど、ホマレは第二次性徴期を迎えても身長が伸びるだけで、その容姿は中学高校を経てもほとんど変わらなかった。  いやむしろ、成長と共に、より中性的にきれいになったと言ってもいいかもしれない。 その間もずっとホマレは音楽と共にあったし、私はそんなホマレを付かず離れずに見守っていた。 だって、だからね。  ……おっと……。  私はさっきよりも強い目眩に見舞われて、見ている画面が急にぐらついていた……  ……気がつくと…… ここは、大学か? あの坂の上にある芸大のようだ。 ホマレはそこで、大学教授のレッスンを受けていた。 「利土(リド)先生、タファネルの魔弾の射手のこの部分なんですが……」  そう言うと、躍動感のある表現を音で形にしていくために、とてつもなく早い指の動作の中で、わずかなニュアンスの違いを曲の解釈にあわせて丁寧に伝えていた。  見たところ、師弟関係は問題がない様子だ。  ………てか、利土(リド)先生? リドってひょっとして……。  私が見ていた画像は、そこで途切れた。 これは一体……。
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