第四話:しがない音楽家

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 これは…… う~ん…… どう切り出したものか……。  まぁ、この状況でどうもこうもないのだろうけどさ。 だからこそ、まずは受け止めて、私が出来ることを探すしかないよね。 「えっと、どゆこと? あのリド先生ってイヤな人なの?」  私の肩にとまって、首すじにピタッと引っ付いている十姉妹のホマレは、 『まぁ、先生……リド教授には感謝してた部分もあったんだよ』  そう言った。 感謝してた。か……。 「ねぇ、ホマレ。 私さ、私の役目をわかってるつもり。 ヒールの力が発動したってことは、きっとホマレにとってヒールの私が必要ってことなんだよ。 だからさ、私は受け止める覚悟は出来てる」 『うん……』 「私はホマレの事をよく知ってるつもりだけど、ヒール案件に引っ掛かるほどの事は知らない。 つまり、今まで、私にも話せなかったってことだよね。 さっきみたいに、あんなに怯えて震えているホマレを見たのははじめてだった。 そして今、ヒールが発動したってことは、状況を変えられるチャンスなんだよ。 だからさ、包み隠さずに教えて?」  私がそう言うと、ホマレは、ずっと心の中に溜め込んだものを吐き出すように……。
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