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これは……
う~ん……
どう切り出したものか……。
まぁ、この状況でどうもこうもないのだろうけどさ。
だからこそ、まずは受け止めて、私が出来ることを探すしかないよね。
「えっと、どゆこと?
あのリド先生ってイヤな人なの?」
私の肩にとまって、首すじにピタッと引っ付いている十姉妹のホマレは、
『まぁ、先生……リド教授には感謝してた部分もあったんだよ』
そう言った。
感謝してた。か……。
「ねぇ、ホマレ。
私さ、私の役目をわかってるつもり。
ヒールの力が発動したってことは、きっとホマレにとってヒールの私が必要ってことなんだよ。
だからさ、私は受け止める覚悟は出来てる」
『うん……』
「私はホマレの事をよく知ってるつもりだけど、ヒール案件に引っ掛かるほどの事は知らない。
つまり、今まで、私にも話せなかったってことだよね。
さっきみたいに、あんなに怯えて震えているホマレを見たのははじめてだった。
そして今、ヒールが発動したってことは、状況を変えられるチャンスなんだよ。
だからさ、包み隠さずに教えて?」
私がそう言うと、ホマレは、ずっと心の中に溜め込んだものを吐き出すように……。
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