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そうして私とホマレは阪急電車に乗って出かけることにした。
私を座席に座らせてから、手すりを持って私の前に立っていホマレが、不意にこんなことを言った。
「今度さ、いちきゅうにぃはちビルのイベントで、カエルの王子さまの現代風劇をやるんだよね。その合間で、私がいろいろとバリエーションを変えて、優しく豊かに演奏するんだ。
あの場所には、フルートの音色が一番良いんだってさ」
そうなんだ。
それ、すごく面白そうじゃん!
フルートの音色って言ってるけど、それってホマレの演奏が認められてるって事なんだよね。
「ねぇ、知ってた?
カエルの王子さまは、お姫様にキスをしてもらうと、かけられてた魔法が解けるんだって。そんな感じでさ、十姉妹のあの時に試してみても良かったかもね?」
なんて事を、ホマレは真っ赤な顔をして言うから、私まで照れてくる。
てかなに?
このホマレらしからぬ発言は?
あの時のことは、そんなことじゃ解けないよ。あれはそう言った類いのことじゃなくて、ヒールの仕事を遂行することでようやく解決できることなんだから。
でも、ホマレはそれもわかってて言ってるんだろうね。
つまり、ホマレはキスしたいってことなのかな?
あ~!
もしそうならさ、なんだかてれてれきゅ~だね!
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