第四話:しがない音楽家

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 その夜は、ルルが予約しておいてくれたホテルでディナーを楽しんだ後は、同じホテルの一室で一緒にシャワーを浴びてから、ベッドに潜った。 「ねぇ 私、夢見てんのかな。 こんな幸せでいいのかな」  そう言うと、 ホマレの唇がそっと私の唇を塞いで、しばらくの後で、 「これが現実だよ。 コウヅキが紡いでくれた、リアルな現実だよ。 大好きだよコウヅキ」  そう言ってから、ホマレはまた私の唇を塞いだ。  私の手に絡むホマレの手が嬉しい。 私の肌に触れるホマレの温もりが嬉しい。  その後、私たちは抱き合ったままで朝までぐっすりと眠ったのだけど、私はホマレよりも少しだけ早く目が覚めたんだ。  大好きな人の寝息、寝顔、少しよだれが垂れたその姿も大好きって思う。 愛があるっていいね。
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