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『雪見月』への帰り道、私のスマホが鳴動した。
「もしもし?」
電話越しで顔は見えていないはずだけど、にやけているのをばれないように、なるべく冷静にそう言った。
「なんて幸せそうな声!
グッジョブ!
コウヅキ!」
もしもしって言っただけなのに、そんな事を言っている。
も〜!ほんと恥ずかしいっての!
私が次の言葉を出せずにいると、
「コウヅキ~あんたへのお仕事案件来てるわよ~!」
そう、電話の向こうで言うルルだった。
ヒールのお仕事だよね。
間違いなく。
『ヒールでペインキラーを行う。それがヒールの仕事。
疼痛緩和のためのペインキラーは連鎖する。
そうやって、一人を救うことが出来れば、その救いは周囲に波及していく。
一人を救うものは世界を救うってね。
それがきみの仕事なんだよ』
アレイグラさんが言っていた言葉の意味が、今ならよくわかるよ。
さて、早く戻って、全部ひっくるめて乗り越えますか!
私たちのいる場所は、
中京区の寺町通六角下る。
雑貨屋兼お土産屋のお店の名前は、
『雪見月』
京都観光ついでに、ぜひ寄ってみてね!
いろんなお土産物が揃ってるし、それにヒール案件なら、私ががつんと解決するから!
来てくれるのを待ってるね!
また会おうね!
おわり。
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