カミングアウト

3/14
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
私は彼に尋ねた  「その男の子に告白してみては?」  「えっ?変なやつだって思われるのは嫌だよ」 彼は、それはそれは切なそうにうつむいた そして、私もまた気づいていた 執事としてご主人様にこの身を捧げる という感情ではなく男として愛おしいと思ってる 何度も何度も自分に問いかけた でも、たどり着く答えは同じだった もちろん表に出す事のない 一生隠し続けなければならない感情だと言う事 彼は夜になるとベランダに出て暗い夜空を みつめていた 長い時間…  「結様寒くなって来ました、そろそろ中に」 返事がない 私は自分の上着を脱ぎ、そっと彼の肩にかけた 私の手が肩に触れた時、彼の背中は私の胸の中に… そっと抱きしめた  
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!