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第一章
世界に名だたる大国、イヴァル帝国。その国の王に双子が生まれた。
一人は王子で一人は王女。二人とも光り輝く銀色の髪に美しい緑色の瞳の、全く同じ美しい顔をしていた。
だがこの国では双子は忌み嫌われる存在だ。
そして古からの言い伝えで王となれるのは女のみ。
なので王子は密やかに城から出され、どこかの田舎へ預けられる予定だった。
しかし不測の事態が起こる。王女が高熱を出したのだ。
跡取りが生まれるということは、その国の安泰を意味する。もうすでに諸外国に王女誕生の知らせは届いている。ここで王女が死んだなどと知られては、各国に攻め入られる格好の的となるかもしれない。
そう考えた王並びに王の信頼の厚い大臣達は、王子を王女の身代わりとして表に立たせ、王女は城の奥深くで手厚く看病をし養生させることにした。
こうして王子の王女としての生活が始まった。
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