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詰め寄る保護者は、大股開きで肩を怒らせ校長を睨みつける。チンピラと変わらない。
「うちの子がね。宿題忘れで怒られたんだけど、家で泣いてるんですよ。どう思う?」
ポケットに手を突っこみながら、のぞき込むように保護者の男は校長に詰め寄る。校長はいつもの人の良さそうな頼りなげな表情で、うんうんと頷く。
(終わった)
小野美咲はもう一度、同じことを思って覚悟した。宿題忘れで叱るのは当然で、事情を説明して納得させようとこの男と話をしていた。しかし、校長の普段の言動から、私を謝らせて解決させるつもりだと悟った。
(どうする?謝る?それともまだ事情を説明する?)
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