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ここに宣言する
妻の会社の社長になることを決意した。だから、会社にその旨を伝えなくてはならない。まず先に報告すべきは、動物病院の医院長である。ここの、研究員として働いているので。アポを取り、医院長の部屋で話すこととなった。
「足助先生が私に話があるとは…珍しいですね」
「はい。お時間頂きありがとうございます。申し遅れましたが、最近、以原グループの娘と結婚しました」
「うむ。それは他の先生方が噂をしていて知ってはいるよ」
噂は広がるのが早いものだ。
「私も、会社を任されることになりました」
「…やはりそうか」
やはり?って?
「君はとても有能で、全ての仕事においても能力を発揮している」
「ありがとうございます」
「それに、結婚の話を聞いたときにすぐに考えてしまったよ。君の、その有能さが欲しいからあちらが君を欲しがったのではないかとね」
えー、そんな感じに思われてんの?有能だけが目当てってか?
「…それは、違います。妻は、同じ大学で…」
「そう、以原教授だね。私も何度か会ったことがあるが、堂々としていて、仕事もできる素晴らしい方だね。だからこそ、君が会社に必要だと思ったのでは?」
…それは絶対ない。直感とか適当なこと言ってたし。
「いえ…私が、新しいことに挑戦したいと思いまして」
「さすが足助先生。素晴らしい」
…違うけどいいや。
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