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「ねぇねえー優くん!守さんは奥さんいたんだね?知らなかった」
部屋に戻るなり報告する。
「は?」
作業しながら適当に答える優くん。ひどいよー
「何言ってんだえんよーちゃん。守はなぁ、俺と住む予定だぞ?」
優くんのお父さんはなぜか偉そうに腰に手を当てながら答える。作業はやめてる。
「え?そうなんですか?」
「さっき優と考えたんだ。俺らと家を引っ越そうと言い出すに違いないってな?」
「…それはないと思うけど」
「はぁ?えんよーちゃんは俺らと住みたいだろ?」
「え?俺?」
「親父仕事しろ」
優くんのお父さんはなかなか無理やりな人だ。守さんは奥さんと新しい家に引っ越したいんじゃないの?それは言わないでおいた。とりあえず仕事だ〜
「終わったぞ!おし、えんよー!次の仕事を聞いてこい」
「え、俺?」
なんでか優くんのお父さんは俺を指名した。
「俺が聞くと怒られんだ。守は繊細でなぁ…」
「わかったー!行ってきます」
「艶耀お前、言いなりかよ」
優くんは最後まで仕事をしていた。まじめだ。リビングに行くと、守さんはまだ作業してる。
「終わりました!」
「ありがとう。じゃ、次は隣の部屋。客用の部屋なんだけど。だいたいまとめてあるから」
守さんは、全然怒らない。普通に話してくれる。
「わかりました!…なんか、いい匂い!」
「今ご飯作ってるので。終わる頃にはできますよ?」
キッチンの奥さんが話しかけてくれた。スーツのまま作ってる!エプロンして、妻っぽい〜
「ありがとうございます!」
すげぇー至れり尽くせり〜
嬉しいからうきうきで戻る。
「次隣の部屋だってー」
「よしきた!移動だ!」
優くんのお父さんはやる気あるなぁ。そんですぐ隣の部屋に移動。
「…なるほど。ここは、俺も泊まったことある部屋だ」
「親父が?追いやられてたってこと?」
「なんだよそれは!」
部屋には、荷物がたくさん。キャリーバックがいっぱいある。スーツとかは、シングルハンガーにかけてあるけど。
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