5人が本棚に入れています
本棚に追加
「待て待て!誰か泊めてるのか?いや、これ…スカート!?守なんだこれはー!」
慌ててリビングに行くと、キッチンからいい香り。そして、誰か…女の人が立ってる?え?あれ?
「守!お前、彼女いたのか?」
「…あれ、多喜ちゃんに聞かなかった?」
作業中に話しかけたが、怒られなかった。セーフ。
「な…にを?」
「結婚した」
「ま、待て…守お前さぁ…」
守の横に勝手に座る。
「なに?」
嫌そうにされたけど、いい。
「妊娠させた?」
「…させたけど」
「…俺の患者なんだけども」
「は、はぁ!?うそ、え?なんで?心臓外科でしょ?」
どうやら知らなかったようだ。彼女の方は、料理してて俺に気がついてない。
「異動になってな」
「…げ、まじかよ…」
守は嫌そうにした。そうだろうよ、俺が触診などしておりますよ。えぇ。
「守、大丈夫。診察は俺がほとんど1人でやってるからな?看護師さんはちょっとした手伝いくらいだ」
「は?なんなの?どういう意味?」
守の耳元に手を当てて、こっそり言う。
「キスマークのことだよ」
「…もー!やめて」
守は俺を押し除ける。いやぁ、守がやったなんて考えもしなかった。足助って名字だけど、知り合い他に考えられないし誰なんだろうとは思ってたけど。守の嫁かよー、しかもそんな盛ってるなんて。嬉しい限りである。
「子供3人も一度に増えるの、楽しみだな。おめでとう」
「…ありがとう」
守は前より素直になってる。あの、嫁のおかげか。けっこう生真面目そうで、素っ気なさそうだけど、守は甘えてるようだ。ほほう!
「守の嫁さんに挨拶させてくれ」
「勝手にすれば!」
守、怒ってるしー。かわいいなぁ。
最初のコメントを投稿しよう!