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「聞いてない」
「…そういや、片付けてるとき話したような?」
「うっそ…あんなに獣医になりたがってたのに。てゆーか、以原先生はなにしてんの」
「それが、モデル事務所の社長になったらしくて」
「はぁ!?あの人、服とかわかんないくせに?」
「…知らん。それで、足助と仕事を一緒にするらしいぞ。足助が社長するそうだ」
「ま、守が社長?えー?うそー!動物病院はいいの?開業しないわけ?」
「わからん」
「以原先生の下僕になっちゃったわけ?守が?えーうそありえな!おかしくない?なんか弱み握られたとか?」
「さぁな」
でも足助は、それで満足してそうだった。あいつウザ絡みしなくなったのは、以原先生がいるからなのか?いや、ウザいのは以原先生だからか?しかし、足助はできるやつだし、先生からネチネチ攻撃されることはないだろうに。
「あ。電車来た。じゃあ後で」
「ちょっと!話途中〜」
まりことの電話を切って乗り込む。そういや、足助は緒方さんの話をする時、以原先生の手を握ってたような…?うわ、今頃気づいた。緒方さんと付き合ってたときは、一切そういうのはないし、まりこに聞いた時も手を繋いだことはないと話してたっけ。
足助よ…あの先生のなにがいいんだ?顔もいまいちで、ただ金持ちのめんどくせぇばばぁなのに。
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