伝説

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伝説

ダンジョンで他の石ハンターたちに殺されそうになったナオスたち。 コマリが喧嘩を売って、喧嘩を買ってもらったようなものだったのだが。 実際に、ダンジョンでは石ハンター同士の喧嘩で殺人とかたまにあるらしい。 殺されても、だいたいは殺人の証拠も無いので、ダンジョンに住むモンスターのゴーレムに殺された事になるそうだ。 文字通り、ダンジョンでは強くないと生きていけない。 ナオスやコマリ、マリオは別にそんなに強くはないのだが、ナオスのスキルによって無痛と身体自動回復なので、ほとんど無敵になっている。 人間としての種の寿命では死ぬが、事故や病気で死ぬことは絶対にないのだ。 さらに、ナオスが触った相手はナオスの言いなりになる。 どんなに凄い能力者に1億回殺されそうな攻撃を受けても、1回でも相手に触ったらナオスの勝ちなのだ。 喧嘩を買ってくれた石ハンターたちを倒し、その石ハンターたちが持っていた金のダン石を代金としてもらったナオスたち。 「さて、買取店に行くか」 「うん」 「あ、俺ができるんだった」 「何がだ?」 「俺って錬金術師だから」 「それが?」 「この金のダン石を金貨に変えるの、俺は自分の錬金術でできるから」  「なるほど」 「ん?」 どうやら、金のダンジョン石、略してダン石を買取店に売らなくても、マリオが錬金術で金貨にできるようだ。 (なるほど、それなら買取店の手数料もいらないな) 「でも、対価は?」 「金のダン石は金だから、それを金貨に変えるのくらいは、物質変換とは違って対価は安いもんだよ」 「なるほどな」 「どういうこと?」 コマリはよく分からないらしい。 「みんなの取り分が650万円になるってことだな」 「1人50万円も増えるの?」 「そうだな」 「ふえー、まるで錬金術だね」 「まあ、錬金術だからな」 「ん?」 よく分かってないコマリは放っといて、家に帰ったナオスはマリオに金のダン石を金貨に変えてもらった。 (あれ? これって通貨偽造なのか? まあ、本物の金貨と同じだし、逆に錬金術で作った金貨のほうが純度は高くて綺麗だしな。まあ、いいか) それからナオスたち3人は、ダンジョンのダン石で莫大な財産を築き、「ダン石三兄妹」と呼ばれて伝説になるのだった。 【 終わり 】
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