2人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
★スターダスト感想
「一発目でこれか・・・」、と思った方は立派な映画マニアですね!(*^^*)
日本公開時のタイトルが「怪物園」。
誰が付けたのか、目づらしくセンスの良いタイトルをつけましたね。
フィルムはズタズタにカットされ現在観れるのは62分のものだけです。
遺産目的で結婚し、愛人と結託し障害者の夫を毒殺しようとする女。
今でもありがちな事件。
サーカスの仲間の障害者たちを「モンスター」と言うが、本当の「モンスター」はどちらなのか、という結構深い映画です。
最近になり”ルッキズム(外見至上主義)”や”SDGS”など差別をなくそうという動きになってきましたが、本作は90年前の作品なので障害者に対する理解はまだまだ進んでいなかったのでしょう。
アメリカではヘレン・ケラー、イギリスでは”エレファントマン”として有名なジョゼフ・メリック氏などがいて障害や病気に対する理解が少しは広まっていたのかと思っていましたが、現実は厳しい・・・。
障害者本人が出演していますが、見る限り差別的意図はなく、彼らを健常者と対等に扱っているように見えます。
今観るとグロイと言っても失神したりするレベルではないと思いますが、当時はショッキングだったのでしょう。
イギリスでも30年以上上映禁止でした。
ブラウニング監督のその後の扱いは不当なものだと思いますが、アメリカでは今でも人種差別が社会問題となっているので当時は障害者差別のどこが悪いのかも理解されていなかったのでしょうね。
”差別問題”は人類の永遠のテーマの一つなのかも知れません。
人は見た目が9割と言われています。
それを覆すのは言うほど簡単ではありません。
私自身美しい人が好きですし・・・。
見た目だけで判断しないよう心掛けるのが大事なのかも知れませんね。
●ブラウニング監督について・・・。
(※注:一部ネタバレ注意)
サーカスに魅了されて、16歳で裕福な家を飛び出す。
名をトッドと変え、サーカスと共に過ごし、各地を回る。
彼は「生ける埋葬」と謳われた出し物を行う『ボルネオの野人』の客引きや、リングリング・ブラザーズ・サーカスのピエロをしていた。
後にこれらの経験を映画に生かしている。
サーカスで奇形の芸人達と親しんでいたブラウニングにとっては、彼らをそのままスクリーンに映し出すことは至極当然のことであった(ちなみにこれ以前にも『三人』では小人が赤ん坊に変装するなどの描写を扱っている)。
ストーリーも健常人の方を精神的な悪と描いたものであり、外見よりもその中身を重視するという寓話的意味合いもあった。
だが当時の情勢や良識は、「美女が復讐され奇形に変えられる」というショッキングな映像を激しく非難した。
あまりに不穏とされたシーンを多く削ったものの、論争の的となり、商業的失敗作となってしまった。
これにより映画人としてのキャリアは事実上終わってしまう。
この後、彼が希望する企画はことごとく没となった。
最初のコメントを投稿しよう!