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『今日の星座占い、第1位は──…』
昨日コンビニで買って帰ったパンとインスタント珈琲の入ったマグカップをテーブルに並べ、たまたまテレビで流れ始めた星座占いを見る。
普段は占いなんて全く信じないけど、今日は自然と力が入る。せめて占いくらいは1位であってほしい。そう願いを込めながら食い入るように画面を見つめる。
『──水瓶座のあなた!』
………世の中そんなに甘くない、か。
こんな見た目だけど、実はおとめ座。そういえば昔、桜佑におとめ座が似合わないって笑われたことがあったっけ。
ほんと、尽くいい思い出がない。
『そして残念ながら最下位に選ばれたおとめ座のあなた』
「最下位て」
1位どころか最下位という結果に、思わずテレビに向かって突っ込んでしまった。
止まらない負の連鎖に溜息が漏れる。なんだかパンの味もしない。
『そんなおとめ座の今日のラッキーカラーはピンク!ピンクの物を持ち歩くと運気が上がるよ!』
占いなんて信じない。そう言いながらも、キョロキョロと部屋を見渡しピンクの物を探してしまう。
でも残念ながら、私の部屋にはピンクがない。
──何だか、嫌な予感がする。
私は今日、何事もなく無事に帰宅することが出来るのだろうか。
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