職員室の扉

「先生いるかな？」

「いるんじゃない？
入りなよ」

「嫌だよ怖い
真紀ちゃん先生呼んでよ」

「なんでよ
留美が数学のワークやるの
忘れたからでしょ？」

「仕方ないじゃん
苦手なんだもん」

「苦手でもやることはできるでしょ」

「嫌だな～って思ったら
寝ちゃったんだもん」

「自業自得じゃん
覗いてても出てこないんだから
開けなよ」

「無理だって」

「叩いて開けて名前言って
先生呼ぶだけじゃん」

「叩いて開けたときの視線よ」

「そりゃそうだよ
叩いて開けてるんだもん
みるよ」

「小学校のときは
先生も優しかったのにな～
どうしたの？って」

「何歳だと思ってるのよ」

「でもやり直さす？普通」

「そうしないと開かないダンジョンだと思えば」

「変わった心意気だこと」

「良いから呼びなさい」

「待っててね
逃げないでね」

「はいはい」