物語る諏訪の〈記憶〉～闇～

序

　「物語る諏訪の〈記憶〉～光～」（『逃げ上手の若君』応援エッセイ）とは別に、諏訪一族の末裔である自分自身と家のことを目を背けずに書こうと決心して、始めることにしました。

　自分が諏訪の一族の末裔だということを私が知ったのは、ごく最近のことであり、かつ、それには、現実主義者の自分には理解不能な不思議な導きが多々ありました。

　こちらで語られることはノンフィクション、つまり、私が体験したことです。しかしながら、実証ができないため、歴史学上は「物語」として処理されるものです。――そうでなければ語りえない何かを持つのが諏訪一族であると割り切って、実証にこだわる人たちの主張には耳をふさぎ、冷ややかな眼差には背を向けることを私は決めました。

　このページにたどり着いた皆さまには、〝そのように理解して〟作品を読んでいただければ幸いです。