あの日の真実

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 恵那は思わず吹き出した。そうね、泰生のその性格は知ってたけど結び付かなかった。 「……笑うな」 「ごめん。でも冷徹泰生にも、こんな感情が存在したのね。びっくり」 「……でもこんな感情、恵那にしか感じない。俺を惑わすのは、昔からお前だけだ。だから悲しかった……俺はこんなに恵那を想っているのに、恵那は俺のことなんてきっと何とも想っていないんだって……」 「それなら私のことをちゃんと信じて欲しかった……言葉にしてくれれば良かったのに……」 「そうだよな……ごめん。たぶん恵那のことがわからなくなっていたんだ。中学から違う学校になって、一人暮らしをして会えなくなって、距離が出来たことでさらに不安になった……」  あぁ、そうか……私たち、ずっと同じ気持ちのまますれ違ってきたのね。あんなに苦しい思いをしたのに、それが全て消えてしまうほど嬉しい。 「それは私も……泰生とあんなふうに別れて、もう泰生の心を手に入れることは無理なんだって思ったら……もう誰と恋愛しても同じような気がしてた……」  恵那は泰生の唇にキスをした。それに応えるように泰生が舌を絡めると、恵那は彼の膝の上にまたがるように座る。泰生よりも少し上からキスをするのが気持ち良かった。 「泰生を見下ろすのって、ちょっと気分がいいかも。いつも見下ろされてるんだもん」 「そんなことをした覚えはないけどな」 「きっと大きいから無意識なのね」 「恵那は昔からサイズが変わらないからな」 「小さくて悪かったわね」  恵那が頬を膨らませた途端、泰生は彼女の体をベッドに押し倒す。 「悪いなんて言ってない。むしろ可愛いくて仕方ないんだ」  泰生は恵那の手を取りそっとキスをした。 「泰生……ちゃんと言葉にして欲しいんだけど……」  気まずそうに目を逸らしたが、恵那は泰生の顔を両手で挟んで自分の方へ向ける。 「そろそろ素直になってよ……じゃないと私は次の恋を探さなきゃいけなくなるよ?」 「それは……結婚がしたいからか?」 「そうよ。結婚に固執することないって言う人もいるけど、私はしたいんだからいいでしょ?」  すると泰生は恵那の胸元に顔を埋めた。
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