エピローグ

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 互いの実家を後にすると、二人は新たに借りたマンションへと歩いて戻る。実家にも職場にも近いというのが理由で、二人で決めたマンションだった。  恵那はソファに座り込むと、手足をグッと伸ばして大きく息を吐いた。 「疲れた……」  その隣に泰生も腰を下ろす。 「お疲れ様」 「泰生もね」 「俺はそこまで疲れてはないかな。元々どちらの親とも連絡取り合ってたし」 「本当よ。まさかうちの親とも仲が良いなんて知らなかった」  すると泰生は恵那の肩を抱き、自分の方へ引き寄せる。 「……たとえ恵那が自分のものにならなくても、繋がりだけは持っていたかったんだ」 「……私のことを誤解して怒ってたのに?」 「確かに矛盾してるのはわかってる。それでも心の底では恵那への気持ちは捨てきれなかったし、会いたいと思っていたのも事実なんだよ。恵那はずっと俺を避けていたようだけどね」 「だってそれは……」  泰生の胸にもたれながら、彼の温かさと心臓の音にホッと心が和んだ。 「聞きたかったんだけど、私を別荘に連れて行ったあの日、結局のところ泰生は何がしたかったの?」  ずっと気になっていた。私に不倫をやめさせるためだけのものだったのだろうか、と。
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