あの日の真実

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 やっぱり彼にいろいろ求めるのは酷なのかもしれない……そう諦めようとした時だった。 「……俺を最後の相手にする気はないか?」 「えっ……」 「……だから! 俺と最後の恋をしないかって……言ってるんだ……」  恵那の瞳から涙が零れ落ちる。嬉しくて頬が緩み、泰生の髪の中へと指を滑り込ませてから強く抱きしめる。 「ねぇ、泰生。そういうことは普通、ちゃんと顔を見て言うんじゃないの?」  恵那が腕の力を緩めると、泰生の顔を顔を覗き込む。耳まで真っ赤になって、眉を寄せて固まっている泰生が可愛くて仕方なかった。  冷徹泰生のこんな姿を見られるのって、きっと私だけなんじゃない? それってすごいことよね。  泰生は意を決したように顔を上げると、恵那の目をじっと見つめる。 「恵那が好きだ。俺と結婚してほしい」 「……あはは! 付き合おうをすっ飛ばして結婚なの?」 「……もう恵那のことは知ってる。あとは……」  恵那のバスローブの襟元を引っ張り、露わになった胸元に口付ける。 「俺の腕の中で、恵那が意識を失うくらい暴き続けたいだけだ」 「……目を覚ました時にいないっていうのは嫌だからね……」  恵那が恥ずかしそうに言うと、泰生は嬉しそうに微笑む。  泰生が笑うとか反則よ……胸の高鳴りが止まらなくなる。 「それはOKと受け取っていいんだな?」  恵那が頷くと、泰生は彼女に優しいキスを降らせる。 「愛してるよ……恵那……」 「私も愛してる……」  やっとあなたと繋がれた……恵那はこの上ない幸福感に包まれながら、そっと瞳を閉じた。
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