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「あのね、夢を見たの」
自分の声で目を覚ます。
青空と野花に囲まれた草原。
蝶が舞って月が照る場所で、私は横になっていた。
ふと手を繋いでいることに気がつく。
視線を動かす。
あの笑顔が私を見つめていた。
嬉しそうな表情が、私を褒めてくれる。
「僕も見てたよ」
君の後ろで、星が流れた。
もうだれもいない。
私が全て亡くしたのに、この場所はあまりにも綺麗だった。
──永遠の生命を持つ天使が死ぬ方法は、
堕天使になること。
そうすれば私も天使ではなくなるから、君に再会できると思ったの。
だから、私たち以外は殺した。
天使って自殺以外では呆気なく死ねるんだって、知らなかったよ。
君を、私が受け止めているように。
こんな私を、君は受け入れてくれているはずだよね。
ね、だってどちらも正しいんだから。
二人だけになれた此処が、多分、本当の天国。
君しかいなくていいよ。
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