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君は羽根を亡くした。
だから君は、天使であることを辞めた。
辞めなければならなかった。
天使の象徴とされる純白の翼を失った者は、強制的に天界から追放される。
その後およそ一ヶ月で、存在すら失くなってしまう。
これを人間の言葉で表現するならば、死。
君はそうして、死んでしまった。
こんな風に脳はきちんと理解しているのに、未だ私の心には実感が湧かない。
君の羽は、人間の少女の生命になったらしい。
君には禁忌を犯してまで救いたい人がいたんだって。
信じられなかった。
信じたくなかった。
──君さえいればいいよ。
あの甘言は、嘘だったのかな。
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