蛮族の血
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やってしまった。 こんなことをしたくなかったから、あんな思いまでして逃げてきたというのに。 蛮族の血が流れていると認めたくなかったのに。 気が付けば頬まで染める返り血を浴びている。 「けがはねえか!」 溢れ出る涙を拭うクラリッサに駆け寄ったラッチャーは、その勇気を称えて抱き締めた。 しかして彼も、クラリッサの胸の内を知ることはない。 彼女は孤独なまま、その日を終えた。
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