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 第一発見者であるアパートの管理人とともに、貞雄は状況を話していく。  管理人の石原は、滞納が続いた家賃を回収するため201号室の並木寿枝の部屋に入った。  話をしている途中、並木は持病である喘息の発作がとまらなくなったという。  激しい発作に悶え苦しむ並木は、抽斗(ひきだし)に入っているはずの吸入薬を取ってくれ、と懇願した。  だが、どこにも見当たらず、並木はそのまま呼吸困難で死亡してしまった。  パニックになった管理人はすぐに、隣人である滝島貞雄に助けを求めた。  事情を確認した貞雄はすぐにスマートフォンから119番通報をしたという流れだ。 「滝島さん、あなたに迷惑をかけてしまった。申し訳ない」  聴取から解放されたあと、石原は疲れきった表情で貞雄に詫びた。 「迷惑だなんて。人が死んでしまったんだ。当然でしょう」 「まさか、こんなことになるなんてなあ」  死人が出るなんて、管理人からしてみれば死活問題かもしれない。  それにしても――  吸入薬が見つからなかったとはどういうことなのだろうか。
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