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「せいかーい」 「どこに隠したんだ」 「探してみてよ」 「今日は疲れてるんだ。勘弁してくれよ」  貞雄はしぶしぶ、机の抽斗やタンスの中を探した。  そして、妻が使っていた化粧台の抽斗を開けた時だった。  その中を見て、貞雄は硬直した。唇が乾いていく。 ――ど、どうしてこれが。  そこには吸入薬が入っていたのだ。  並木が使用していたものだと判然するのに、時間はかからなかった。
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