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二日後――
輝也を保育園まで迎えに行った帰宅途中、管理人の石原と会った。
いや、会ったというよりは彼が待ち伏せていたようだ。
近所にある公園の入り口の前で彼は立っていた。
その顔はひどくやつれていた。冷たい風が彼の薄い髪を揺らしている。
輝也を砂場で遊ばせて、貞雄は石原とベンチに座った。
「どうしよう。滝島さん・・・・・・」
「どうしたんです」
「警察が来たんですよ」
「警察が。な、なんで」
「死体の第一発見者ということで、詳しく話を聞かせてほしいと警察署まで連れていかれました」
「でも、別に石原さんが故意に吸入薬を渡さなかったわけではないでしょ」
「もちろんです。でも、警察は事件性があるかないかの確認をしているようです」
貞雄の胸に重たいものが沈んだ。
「警察はやはり吸入薬のことを気にしているんですか?」
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