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何故か素直に受け入れられなかった。
余程、ナナシの妖気が強いものだったとしとも何時までも他者にまとわりついているものなのだろうかと疑問を抱いたからである。
それに具体的には分からなかったが何か違和感を感じていたのだ。
景壱がリリーに、その事を言おうとした時、二階から勢いよく誰かが下りてくる足音が聞こえてきた。
「景壱、何ともないのか?」
「何ともないと思います」
自信なさげに景壱が答えると店長は笑う。
「あはは、自分の体なのになんで即答出来ねえんだよ。ま、受け答え出来るし大丈夫だろ」
そう言って店長は景壱の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
「やめて下さい。俺は子供じゃないんですから」
恥ずかしさから店長の手を避けると店長は怪しげに笑う。
「そうか。なら大人なお前に頼みが有る。羅擦の面倒見てやってくれるか? いや、大人な景壱なら断らねえよな。頼んだぞ」
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