遠くの騒ぎと非日常な日常

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店長はにやりと悪どそうな笑みを浮かべる。 「面倒見るって何をすれば……」 「心配すんな暫くの間、店に来て夜まで羅擦の御守りしてやってくれればいいだけだ。あいつと話してみたが人の世の常識を知らなさ過ぎるんだ。テレビも信号も現代の金も分からないときたもんだ」 頭を掻きながらどうしたものかと店長は考えている様である。 「それくらいなら良いですけど、一から常識教えるっなると時間かかりそうですね」 「いや、半月だけで良いんだ。半月したらナナシを倒せるからな」 「え?」と景壱は驚きのあまり間の抜けた顔をする。 「確か羅擦さんの住処を襲った妖怪でしたよね?」 確認する様にリリーが尋ねると店長は頷く。 「ああ、でもナナシは本当の名じゃなくて本当の名は地獄の閻魔が隠してるらしい」
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