不穏な足音と新たな始まり

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「っくし!」 「景壱様、風邪ですか?」 近場の公園でボール遊びをした帰り道、景壱の隣を歩いていた愛理はポケットティッシュを差し出す。 「ありがとう。具合は悪くないんだけどな。念の為早目に寝ようかな」 「風邪は万病の元ですからね。任せてください。景壱様の睡眠を妨害する輩は私がやっつけますから」 「そ、そこまでしなくて良いから! なんか最近店長に似てきたな……」 変に張り切る愛理を見て先行きを不安に思うのだった。 家に帰ると愛理に犬の姿に戻ってもらい、玄関で脚を拭いてから家に上げる。景壱の両親が居ない時なら、こんな事をしなくて良いのだが今日は二人共家に居るのである。 「帰ったの景壱。あら愛理ちゃん、やっぱり可愛いわね。よしよし」
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