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「あはは、姉御の言う事は絶対やからな。店はうちらに任せて愛理ちゃんと遊んでやりーや」
「それじゃあ帰ります。お先に失礼します」
そう言って景壱は店長と葵に頭を下げる。その時、羅擦に視線を向けると笑顔が返って来た。
「明日から色々教えてくださいね」
答えずに景壱は頷いて返す。
リリーと家に帰ってから景壱は茶の間のソファーで寝そべりながら羅擦の事を考えていた。
店長と話していた時の羅擦の声の事を。
彼は青藍と親しい妖怪だったのだろうか? 店長に何をさせようとしてるのかと。
「景壱様、どうかなされましたか?」
愛理は犬の姿で心配そうに景壱の顔を覗く。
「ちょっと気になる事があって……」
簡単に店での事を話すと愛理は人の姿に戻りスマホを取り出し誰かと通話した後、にこりと微笑む。
「麗香にもこちゃんで店を見張る様に頼みました。何か有れば連絡くれるみたいです」
「これでひとまず安心ですね」と愛理は笑う。
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