遠くの騒ぎと非日常な日常

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翌日、景壱が店に来ると店の中を見知らぬ女性が覗いていた。 「何かご用でしょうか?」 尋ねると女性は驚いた様な顔をする。 「お店の方ですか? ここって不思議な事を解決してくれる店だと聞いたんですが何だか入りづらくて……」 「何か怪しい物売りつける店じゃないから安心してください。とりあえず、話を聞きますので中に入ってください」 店の引き戸に手をかけ女性を店の中に案内する。 茶の間のちゃぶ台の前に女性を座らせ、話を聞く事にした。 「私は野間 明美(のま あけみ)と申します。友人の友樹(ともき)の様子がおかしいので調べて欲しいんです」 「具体的に言うと何がおかしいんですか?」 「二月前に彼の彼女が亡くなって、ひどく落ち込んでいたんです。可哀想なくらい憔悴しきってこのままだと彼も死んでしまうかもしれないと思っていました 。ですが、最近は以前と打って変わって元気になったんです」 「元気になったのなら良いじゃないですか」
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