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撫でられた愛理は尻尾を振ると「わん」と嬉しそうに鳴いてみせる。
「嬉しいの? ならもっと撫でてあげる。本当にいい子ね」
「か、母さん。愛理も散歩で疲れてるからそれぐらいにしてあげてよ」
「そうね。ごめんね愛理ちゃん。また明日撫でてあげるからね」
普通の犬の振りをするのも大変だろうと名残り惜しそうにする母から愛理を引き離すと、景壱は二階の部屋に戻る。
「ごめんね愛理。いちいち犬の姿にさせて」
人の姿に戻る愛理に頭を下げると笑顔で愛理は首を横に振る。
「仕方ありませんよ。犬の愛理として景壱様の家庭に入ってますからね。もう慣れっこです」
偉いでしょ! と言わんばかりに愛理は胸を張る。そんな愛理が可愛くて、景壱は思わず笑ってしまう。
何がおかしいのか理解出来ない様子で愛理はきょとんとしていた。
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