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ショックを受け肩を落とすリリーに夜楽は続ける。
「それに景壱君に頼り過ぎじゃないか? 景壱君は妖怪に狙われやすいのは君も知っているだろ? 君が景壱君に頼る度に彼を危険に晒しているかも知れないとは考えなかったのか?」
「夜楽さんちょっと言い過ぎじゃないですか?」
たしなめる様に言う景壱に夜楽は首を横に振る。そして神妙な顔をして口を開く。
「ただの友人にはここまで言わない。だが、彼女は今私の弟子だ。間違った事をしたら厳しく言わざるを得ないさ。間違ってほしくないからね」
厳しい言葉は彼なりの優しさだったのだなと景壱は理解していた。
リリーも、それが分かっているから反論しようとしないのだろう。ただ、自分の弱さが恨めしいのか強く拳を握りしめ震えていた。
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