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不穏な足音と新たな始まり
死者は誰であろうと平等に裁かれ、次の生を与えられる。
だが、一つだけ例外がある。
閻魔大王で裁けぬ大罪人は改心するまで鎖に繋がれ、何百何千年という年月の間牢に押し込まれる。
どの様な罪を犯せば例外に当てはまるのか、その牢が何処に有るかは閻魔や他の地獄の十王など一部の者しか知らない。
「暇だなあ。そろそろ出るか」
暗闇の中で少年は真っ白な髪をかきあげ、目の前の鉄格子を粘土の様に引き千切り丸めると外に出る。
「暴れても良いけど、それじゃあ芸がない。そうだ現世に戻って遊んでくるか。適当な体ならその辺りに落ちてるだろうし。楽しみだなあ。千年で、この世はどう変わったんだろう」
大きく深呼吸して少年は駆け出す。不穏を引き連れ、彼が何処に向かうのか誰も知らない……。
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