小さな彼の覚悟

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小さな彼の覚悟

約束の日になった。 僕は篤人の浮気の証拠を集め、光都くんは彼女さんの扱いについての証拠を集めた。 それは、僕たち二人にとって辛い作業だった。 だって、まだ僕たちはあの人たちを好きなままだから。 机の上にはその証拠。光都くんはふたりが家から出たあとに俺の家に来ることにしていた。 ピンポーンとインターホンがなり、二人が入ってくる。 ニヤニヤした顔の彼女と、無表情の篤人。 「話ってなんだよ。俺は忙しいからはやく済ませろよ。」 「あっくん。そんなこと言ったら可哀相よ、、?」 ズキズキ痛む胸。涙が出そうになるが我慢だ。 続けてインターホンがなった。 「はーい!」 僕は急いで扉を開けた。 「光都くん。おかえりなさい。よく来たね。」 おれはできるだけ笑顔で彼を迎える。 するとくしゃっと目を細めた笑顔で 「ただいま。お兄ちゃん。」 それは覚悟の顔だった。 「な、なんで光都がいるのよ!!」 突然、彼女が叫びだす。 「おい、聡太。どういうことだ。」 俺は光都くんから封筒を受け取り、俺の封筒と一緒に机へ並べ 光都くんと椅子へ座った。 「これを見てほしい。」 そう言って、封筒から中身をだして手渡す。 二人の顔は青ざめる。 そして、光都くんのものへ目を通した時、彼女は怒りをあらわにした。 「ふざけないでよ!私が虐待してるっていいたいの? ね、ねぇあっくん。私、ちゃんと世話をしてたわよね?」 焦る表情に変わる。しかし、 「は?お前、光都のご飯とか作ってたっけ? それに、金も聡太からもらったって、、」 いや、篤人も最低だな。気づいてたならなんで 光都くんをほっておくんだよ。 「お、俺も聞いた。お金の話。 それから、ご飯はいつもコンビニで食べてたし 寝るときは部屋の済で一枚のタオルケットをかけてた。 お母さんはお父さんがいなくなると僕を蹴るひたたく。」 そう涙を目にためて喋っていく。 俺はその手に、俺の手を握った。 すると、ギュッと温もりが帰ってきたんだ。 スウッと息を吸って俺は言った。 「僕は何十年もあなた達にお金を振り込んできた。 それは、篤人のことが大好きだったからだ。だけど、篤人がお金を俺が出していたことを知ってた。毎晩、その人のところへ泊まっているのも、電話をするのも。それでもそばにいたかった。だけど、もう俺は耐えられない。だから、篤人。お前と別れてやる。その代わり条件として、光都くんは俺が預かることを許可してくれ。」 二人が目を見開く。光都くんは握る力を強めた。 「なんで!!なんであんたなんかに!!!」 いくら虐待をしていても、親子は繋がってる。 母親は子供といたいし、子供だって母親といたい、大好きだ。だけど、光都くんは離れる選択をした。 本当はちゃんとした機関へ届けないとだめだと思う。 だけど、もしも話し合いてなんとかなるなら、、。 「わかった。俺は聡太のことはずいぶん前から好きじゃなかった。ただの都合のいい同居人だった。お前じゃ抱けないし、子供をつくった。最初は好きだったけど、お前との温度差についていけなくなった。」 俺は、ショックだったし悲しかった。痛い 胸が痛くてこのまま心臓がねじれてしまうのではと思うほどのいたさ。 でも、分かっていたことだった。仕方のないことだった。 「それでも俺は、お前が好きだったよ。」 そう言って俺は笑った。 「あなた、、私からあの子を奪うっていうの!? あの子は私のものよ!あの子は私なしで生きていけないのよ!!」 そう叫ぶ彼女に 「お母さん。俺!お母さんのこと大好きだよ。 ホントはいっぱい一緒にいたいし、抱きしめてもらったり褒めてもらったりしたかった。だけど、、おれ。 二人の声聞いちゃってから、二人のことが気持ち悪くて、怖くて仕方ないんだ。だから、二人と離れたい。 離れるけど、お母さんはお母さんだよ。 俺がいない間、お父さんにいっぱい大事にしてもらってよ。」 僕は涙が止まらなかった。光都くんの笑顔が声が 覚悟をふくむきれいな笑顔だったから。 それを聞いて彼女は泣き崩れた。 ごめんなさいとつぶやき、二人は僕の家をでた。
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