あいつの真実

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その後、赤ちゃんを産んだが絵里は触れられずにいた。 それを見て篤人が「光都」という名前にしていいかときき、俺と育てようと言った。 高校生だから、働く手段はアルバイトしかないけど。とつぶやく篤人に、泣きながらありがとうと彼女は言ったらしい。 でも、籍はいれないで。と言われた。 だから、シングルマザーとして子育てをして 補助を受けながら生活していたようだった。 「それで、僕に金をもらいに来たんだな。」 これで真実がわかった。 「なぁ。篤人。僕のこと好きじゃなくていいからさ。最後に一回だけ、一回だけキスをしてくれる?」 あのたった一度だけ交わしたキス。 あのたった一度だけ抱かれたときの彼の唇や手の優しさを今でも鮮明に思い出せる。 「あぁ。」 これが最後。もう二度と叶わない願い。 彼は僕の名前を、聡太とつぶやいてキスをした。 「んっっ!っっはぁっ、、」 舌をちょっと入れてくれた大人なキスだった。 あの時に似たキス。 涙はとまらないけれど、僕は今喜びに溢れていた。 そして同時に悲しみも溢れていた。
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