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 けれどせっかく購入したローションも使えなくなるほど俺はやっぱりショックだった。  どうしよう?シクラメンの茎の色をアナルに付けた人間なんてどのくらいいるのだろう?世界の中で2%?いや、0.1%とか。どちらにしても希少価値だが、そんな場所を稀な色にしたくはなかったのに。  くよくよしても始まらないと奮い立ちたいのに、万が一見られたらと思うと怖くて仕方ない。もしも、もしも見られたら……。 「おめー、シクラメン属だったのけ?」  ああ、そう言われるに違いない。そしたら簡単に萎えてしまう。どうしよう。 「あ、暗くすればいいんだ!」  闇に紛れてしまえば分からないはず。 「なんだ、俺って頭いい〜」  そうと決まれば温感ドゥルンをもう一度手に絞り出し、自分のアナルへと手を持っていく。ドゥルンを肌に付けるとまるでお漏らししてしまったような感覚で、赤ちゃんというのは泣いて教えると言うがこりゃ泣きたくなるわなと思った。  しかし柔軟な肉体を持たない俺にとっては結構大変な体勢で、何度かキュッと閉じたアナルの上を往復すると集中しながら人差し指を挿入してみる。 「うっ……あっ」  第一関節もまだなのにこの有り様とは訓練は過酷になりそうだと覚悟して、大海原さんのDVDをまた再生した。 『気持ちいいだろ?んー?』  大海原さん!!第一関節どころじゃない大海原さんの指が山口くんの中に飲み込まれていく。それを見ていると興奮してきて、あれもこれも稲葉課長の為だと思えば俺だってやる気になる。 『カモノハシ、いや倫也、後ろのお口がパッカパカ』  脳内に自動再生される稲葉課長の声に俺は思い切ってゆっくりと指を進めた。いつの間にか勃起していた自身はピンと張り詰め、扱きたくなるのを堪えて指を更に進める。 「ああっ!」  なんなんだ、なんだ?中と言うよりも入り口を通ると気持ちいいじゃないか!!違和感を感じるだろうと思っていたはずなのに、なぜか初めてなのに、しかもまだ指一本なのに!  天性の素質がまさか肛門にあったとは!誰も気付かない訳だ! 「稲葉課長……稲葉課長……俺、もうっ」  自分の指の根元まで挿入すると、俺は呆気なく白濁を出したのだった。
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