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「由紀恵ちゃん」
「はい」
「情報収集する時って、ハッキングしてるわよね?」
「えっ……どうしてそれを?」
「だって、普通に検索して得られる内容の度を越しているわ。特にAの追放に関しては、組織内部の情報よ。組織にハッキングしない限り知り得ない情報だから」
「あちゃ。ばれました?」
由紀恵は小さく舌を覗かせた。
「ハッキングは犯罪だけど、組織のシステムに侵入したあなたのハッキングスキルは大したものだわ」
由紀恵は俯いて、恥ずかしそうに頬を赤らめる。
「それで、今日、由紀恵ちゃんを呼んだ理由がそれなの。私と拓がいた組織を、解体するお手伝いをして欲しいの」
「あ~なんだ、お手伝いですね。そんなのお安い…………へ?」
「そ、そ、組織の解体のお手伝い!? 私が?」
「ええ、由紀恵ちゃんの情報収集能力は、凄い即戦力になるの。でも、無理にとは言わないわ」
「や、やります! 絶対やります! チョー面白そうじゃないですかっ」
耳にくっ付くほどピンと伸ばした右手を頭上に挙げた由紀恵は、キラキラと輝かせた双眸で尋子と拓也を交互に見る。
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