甘く溶かされる

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甘く溶かされる

 ぴちゃ、ぴちゃ、と水音が口元から漏れている。  いつもよりゆっくりと口内を舌で撫で回されて、頭がジンと痺れてしまう。  そんな僕を愛おしそうに見つめてくれる蓮先輩は、僕の上顎を舐りながら僕の脇腹に手を這わせた。  浴衣の上から触られているだけなのにあっという間にお風呂での快感を思い出してしまった身体は、それだけで期待するみたいにビクビクと震えて。それを楽しむみたいにゆっくりと身体を弄っていた手が胸元に到達し、そのまま胸元でくるくると円をかく。  「ん・・・、んぅ・・・」  焦らすように決定的な刺激は与えられなくて、僕の体は勝手に胸を突き出すみたいな体勢になってしまう。  そんな僕を見てまた目を細めた蓮先輩は、ゆっくりと唇を離して首元へ顔を埋めた。  「んぁっ!ふ、ぁ・・・っ」  ぴちゃり、と音を立てて舐められる首筋。  「跡、消えちまったからまた付けねぇとな・・・」  そう呟いた蓮先輩に、跡って?って聞こうと思ったのに再度首元に顔を埋めた蓮先輩からチクリ、チクリと何箇所も体育祭の時のような刺激を与えられて。  僕の声は熱い吐息となって吐き出され、言葉を紡ぐことは出来なかった。  「ん、これで良し」  何度かチクリとした刺激を与えらた後、満足そうに顔を上げた蓮先輩。ハフハフと息を乱しながら蓮先輩を見上げると、愛おしそうに僕を見つめる瞳と視線がぶつかった。  そのままゆるりと笑った蓮先輩は、僕の浴衣の合わせから手を差し込むようにして胸元をはだけさせて。さっきもお風呂場でたくさん見られて触られた筈なのに恥ずかしくって、思わずフイッと真っ赤になった顔を背けてしまう。  「・・・可愛い、結翔」  「ひ・・・っ!あぁ・・・、何っ?あっ、あぁっ!」  蓮先輩の声が下から聞こえる、と思った瞬間胸の尖りがぬるりと何かに舐られて。  驚いてパッと背けていた顔を戻すと、蓮先輩が僕の胸の尖りに舌を這わせていた。  片側は熱い舌にぴちゃぴちゃと音を立てながら舐られ、もう片側は蓮先輩の綺麗な指でくにくにと嬲られて。お風呂での愛撫なんて比にならないほどの快感が背筋を駆け抜けていく。  気持ちいいのに、凄く気持ちよくて仕方がないのに、イけなくて。ドロドロと溜まっていく快感を我慢できなくて、僕の脚の間に膝をついている蓮先輩の太ももに腰を動かしながら擦り付けてしまう。  「あ・・・、んぁ、きもち・・・のにぃ・・・っ!イき、イきたいぃ・・・っ!」  「あー・・・本当に可愛いなぁ。でもだぁめ。出しちゃったらこの後結翔がしんどくなっちゃうからな。我慢」  そう言ってチュッて嗜めるみたいに僕の唇にキスを落とした蓮先輩は、少し何かを考えた素振りを見せて身体を起こした。  そして枕元に置いていたらしいローションを掌に出して両手で挟んだ蓮先輩に、何してるんだろう?ってコテリと首を傾げると。  「ローション、そのままだと冷たいからな。それより結翔、練習ってどこまでやった?教えて?」  「へ・・・?どこまで?」  先程まで快感に翻弄されていた僕の頭はまったく回っていなくて。どこまでってなんだろう?ってキョトンとしてしまう。  「んー・・・、ココに指は入れた?」  蓮先輩の体温で温まったローションを蕾に塗り込みながら、ツン、と蕾をつつかれて。  「んっ、は、はい、入れました。最初は、小指でも怖かったし違和感があるけど・・・指2本までなら入れれました」  そうか、何本指を入れれたのかを聞かれてるんだって思った僕が正直にそう言うと、蓮先輩がにっこりと笑って。  「そっか、じゃあ開発は俺が出来るんだな」  「開発・・・?」  「そう。ココで気持ちよくなれるようになって、中イキ出来るようになろうな?」  「なかいき?」  「・・・そう、中イキ。大丈夫、結翔は感じてるだけでいいからな」  結翔の口から中イキ・・・って小さな声で蓮先輩が呟く。でも蓮先輩の言ってることが分からなくて言葉を繰り返すことしか出来なかった僕は、回らない頭でどう言う意味か考えようとしていたのでその僕の言葉に蓮先輩がまた興奮してくれていた事には全然気付けなかった。
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