秘密の特訓

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 秘密の特訓初日。  「よし・・・、うん、よし、やる、やるぞ・・・!」  僕は家族が寝静まったであろう深夜、お尻をペロンと出した状態で四つん這いになって小声でブツブツと気合いを入れていた。  ・・・だってさ、いざとなるとやっぱり勇気がいるよね。  僕、物心ついてから元気いっぱいで生きてきたもんだから座薬すら入れた事ないんだよ。  なのに突然お尻の穴に指入れるとかハードル高いと思わない?  でも・・・蓮先輩との初エッチの為に!僕は!頑張るんだっ!  緊張して口内に溜まっていた唾液をゴクリと飲み込んで、ローションを手のひらに出してお尻にペチャっと乗せる。  「う~・・・。お尻にヌルヌル、なんか変な感じぃ」  知らず知らずのうちにシワが寄っていく眉間をそのままに、ツンツンと穴をつついてみる。  「こんなの本当に入るのかなぁ・・・?うーん・・・。怖いしとりあえず小指にしよう。」  小指だったらまだ他の指より大丈夫そうだよね。細いし短いし。  ツンツンとつついていた人差し指を退けて小指を押し当ててみると、ジュプ・・・っとローションが音を立てるのと同時に少し入れる事が出来た。  「・・・・・・異物感するぅ。ネットには慣れると気持ちよくなるって書いてあるけど本当に気持ちよくなるのかな・・・?」  そんな事をブツブツ言いながらも恐る恐る小指を出し入れしていると、だんだん慣れてきたのか異物感が薄れて少し余裕が出てきた。  「ふー・・・。コレ、人差し指いけそうかなぁ?ちょっと挑戦してみよう」  ちゅぷっと小指を引き抜いて人差し指をゆっくりと押し入れてみる。  「う・・・んぅ。さっきよりも異物感するぅ・・・!」  やっぱり小指と人差し指くらいの差でも慣れてないと大きく感じるみたい。  それからしばらく、うぅ~・・・って唸りながらも無心で人差し指を出し入れしてほぐそうと試みた。  そしたらちょっとだけやわらかくなったというか・・・緩んだ?気がしてちょっと達成感。  肉体的にも精神的にもちょっと疲れちゃったからこの日はこれでお終いにしておいたけど、お尻に指を入れる事ができたからひとまず初日は成功って事にしよう、うん。  これを続けてたら蓮先輩の初エッチ、失敗せずに出来るよね?  僕、頑張る!  ───そうやって気合いを入れた僕は、蓮先輩との約束の旅行の日までほぼ毎日秘密の特訓を頑張った。  特訓の成果あって、まだ異物感はあるけどちゃんと指2本は入るようになったんだっ!  小指でヒーヒー言ってた僕としてはとっても大きな成果だと思う。  そして迎えた当日。  僕が家族以外と旅行に行くなんて初めてだからか、家族総出で玄関でお見送りしてくれた。  そこまでしなくてもいいんだけど・・・って思いつつも、なんだかちょっと照れながら行ってきますって手を振っておいた。  家族には旅行が決まった時点で先輩と旅行に行ってくるって伝えたんだけど、そんな事初めてだったからかすっごく質問攻めされて大変だった。  でもいつも朝迎えにきてくれてる先輩だって言ったら、母さんがあの子ならしっかりしてそうだし大丈夫かって言ってくれて。  あれ?いつの間に蓮先輩の事認識してたの!?ってびっくりしたんだけど、実は蓮先輩、割と早い時間から僕の家の前で待ってくれていたみたいで、僕より家を出るのが早い母さんとは顔見知りになっていたらしい。  そんなの母さんも蓮先輩も言ってなかったし初耳すぎてびっくりしちゃった。  そんな初耳が発覚した後、驚く僕を放置して母さんだけゆいの仲良しの先輩と顔見知りなんて狡い!って兄さんと姉さんズが言い出して、そこからは母さんが質問攻めされて大変そうだった・・・。  あまりに圧が強かったから僕に矛先が戻ってくる前にそそくさと部屋に戻っちゃった。ごめん、母さん。  あ、ちなみに父さんはゆいくんの仲良しの先輩気になる・・・でもハニー困ってるし・・・ど、どうすれば・・・!?ってなんかオロオロしてたから、そっと視線を逸らしておいたよっ!  そして今日はやっと!やっと!待ちに待った念願の当日!なのです!蓮先輩との旅行もとっても楽しみでワクワクしてるけど、正直それより初エッチの事が頭から抜けなくて朝から心臓がバックバックして仕方ない。たくさん練習はしたけど上手に出来るかな・・・。  あ~・・・緊張する!!  
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